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2007-20082018-12-20T16:26:09+00:00

2007 – 2008 Google Appsとの運命的な出会い

2007年、私は運命的な出合いを経験します。「Google Apps」(2016年9月より「G Suite」)です。同年2月に「Google Apps」の無償版がリリースされ、すぐに使ってみた私は、思わず「素晴らしい!」と声を上げました。メールやグループウェア製品として非常に使いやすく、便利だったからです。実際にISRで「Google Apps」を使い始めて、私たちはGoogle Cloudが既存のオンプレミスから置き換わるに違いないと確信しました。なぜならば、独自にサーバーを運用する必要がなくなるため、従業員などのユーザーが増えてもサーバーやディスクなどを増やす心配をしなくてもいいことや、運用のコストや手間を激減させることができると考えたからです。さらにメリットを感じたものがあります。エンジニアでも対処に骨を折っていた、受信メールの80%以上も占めていたスパムメールのフィルタリング機能です。「Gmail」では、スパムはほとんどブロックされました。

そして、12月に企業向けの「Google Apps Premier Edition」がリリースされました。ところが、それには企業がセキュアに利用するには不可欠のアクセスコントロール機能がつけられていなかったのです。Googleには、「インターネットサービスには、誰でも、いつでも、どこからでもアクセスできるべき」というポリシーがあるためです。さらにいえば、セキュリティポリシーは国やユーザーごとに違いがあるので、それぞれに応じたものを後からオプションとして付加すればよいという設計思想がありました。そこで私は、技術として完成していたシングルサインオン(SSO)によるアクセスコントロール機能をつけられるようにすれば、もっと利用者が増えるに違いないと考えたのです。さっそく私はGoogleの日本法人を訪問しました。当時、「Google Apps」の担当者は3名でしたが、彼らもアクセスコントロール機能の必要性を感じていて、開発を手がけるサードパーティーを探していたところだったのです。

年が明けてすぐ、3名の担当者とともに私はシリコンバレーのGoogle本社(マウンテンビュー)に赴きプレゼンテーションすると、ISRは正式なパートナー企業に認められました。Googleから「Google Apps」に関する詳細なレクチャーを受け、専用SSO製品の開発ノウハウを吸収し、私たちは「CloudGate」の開発に着手することとなりました。当時、当社のCTO(最高技術責任者)がXMLや公開鍵暗号方式、LDAP、SAMLといった要素技術を知っていたことで、順調に開発を進めることができました。

それとともにGoogleチームと営業活動を始めましたが、当初は大いに苦労しました。2008年1月の当時、まだ日本企業にクラウドサービスという考え方が浸透していなかったからです。「どこにあるのかわからないサーバーに、自社の重要なデータを預けるわけにはいかない」と。しかし、クラウドの素晴らしさを確信していた私たちはコツコツと営業を続け、ついにその年の春、第1号のユーザーを獲得しました。5カ国に約3,500名の従業員を擁していたユニ・チャーム様です。従業員の生産性向上というミッションを抱えていた同社のCIO(最高情報責任者)は、より使いやすいメール製品を探しており、いくつかのWebメールを検討していました。その中に「Gmail」を含む「Google Apps」を加えてもらったわけです。従来、同社のシステム部門担当者は、5カ国で異なる言語やタイムゾーン、カレンダーを運用する自社サーバーの管理に手間を取られていました。その管理が不要になることが、「Google Apps」採用の決め手となったのです。自分たちが「Google Apps」を使い始めて確信したとおりでした。

しかしながら、やはり企業で必要となるセキュリティポリシーを満たしていなかったことが導入のネックとなったため、私たちは2回目の訪問でプロトタイプができていた「CloudGate」をプレゼンテーションしました。メールへのアクセスを同社の従業員のみに制限し、従来の認証を強化する機能を評価してもらい、受注に至りました。導入後、ユニ・チャームからは、「使いやすく、楽になった」といった嬉しい声が届きました。

その後、2008年12月、「CloudGate」は「Google Apps」のSSOサービスとして正式発表します。ISRのデータセンターで運用し、1アカウントあたり年間1200円の利用料を頂くというASPモデルを採用しました。
2009年からは、自社のグループウェアとして「Google Apps」を導入した富士ソフト様が「CloudGate」の最初のリセラーとなり、販売力が強化されました。
こうして、アクセスコントロールとユーザー認証を可能とした「CloudGate」は、「Google Apps」を導入する企業にとって不可欠のSSOソリューションとなったのです。

2008 – 2012 最大のピンチ